高市早苗・首相が悲願と称す「食品の消費税ゼロ」の実現に暗雲が垂れ込めている。抵抗勢力とされる財務省は海外の機関を使って外堀を埋め、消費減税どころか、むしろ増税に舵を切る方向に持っていこうとしているのではないか――その策略の裏面に迫る。【前後編の後編】
OECD側は財務省が言っていることを下敷きに報告か
OECDが5月13日に公表した「対日経済審査報告」では「日本の公的債務残高はOECD諸国で最高水準」「(消費税の)現在の税率10%はOECD諸国で最低水準」などと指摘し、国の借金(公的債務)を減らす推奨改革パッケージを提案。そこには〈定年年齢を平均寿命に連動させた年金制度改革〉などと並んで、〈消費税率を毎年1%ずつ引き上げ、最大18%まで引き上げ〉という増税案が例示されている。
なぜ、OECDがこんな増税提案をしたのか。
OECDは欧米諸国や日本、韓国など先進38か国が加盟し、経済、財政、環境、社会保障など幅広い分野の政策分析や調査、提言を行なっている。日本は米国に次ぐ2位の出資国で、国の2024年度決算によると、財務省はOECDの税制、金融分野等の技術協力プロジェクトに年約13億円を拠出する大口スポンサーだ。
また、OECDには約90人の日本人職員がいるが、中央省庁からの出向組のなかでは財務省から5人、国税庁6人と財務・国税からの出向者が断トツに多い(2025年末、人事院調べ)。財務省有力OBの天下り先としても知られ、事務総長に次ぐナンバー2の事務次長を武内良樹・元財務官、玉木林太郎・元財務官など3代続けて財務省出身者が務めた。
元財務省審議官の本田悦朗氏はこう話す。
「OECDには各種委員会があって、財務省から派遣される人間は委員長を担うことも多い。租税委員会というのもあって国際二重課税問題などを扱うが、ここは日本が委員長を務めることが多いと記憶しています」
