日産は、南アフリカの工場をチェリー(奇瑞汽車)へ売却すると発表しました。
これにより、南アフリカでの約60年にわたる生産活動は、事実上終了することになります。財務再建を進める日産にとって、これは生産拠点を17か所から10か所へ削減する計画の一環です。
プレスリリースによると、日産は南アフリカ・ロスリンにある工場の土地、建物、関連資産をチェリー南アフリカへ引き継ぐことで合意したとしています。ただし、この取引は「一定の条件が満たされること」を前提としています。
なお、この合意により工場従業員の「大多数」が同様の職務で雇用を継続できる点は、現地でも評価されているといいます。
同社は、南アフリカ向け車両の輸入と既存顧客へのサポート体制を継続すると発表しています。具体的には、新型「パトロール」や新型コンパクトSUV「テクトン」など、26年に予定される複数の新型車投入計画には影響しないとしています。
今回の南アフリカ工場閉鎖は、同地域での販売不振(2025年の販売台数は前年比2割前後減)への対応とも考えられます。あわせて、スペイン、メキシコ、タイ、日本での工場再編と同様、日産復活に向けた取り組みの一環と位置づけられます。
日産は今回の工場売却により、欧州、中国、北米といった中核市場への再集中を図るとみられます。ただ、それぞれの市場での本格的な立て直しは決して容易ではありません。
例えば北米市場では、米国政府による輸入車および自動車部品への関税政策の変動が、米国内に生産拠点をわずか3つしか持たない日産を含む自動車メーカーにとって大きな懸念材料となっています。実際、2025年7月には、ホンダがコスト削減策の一環として、米国でのピックアップトラックなどのOEM供給を検討していることも報じられました。
